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「いいかー、夏休みっつっても課外があるんだからなー。ネズミの国行くから休みますとかは許されないからなー。お前ら仮にも受験生なんだから、一応それなりの心構えをもって夏休み満喫しろよ」
あれおかしいな、もう夏休み前日の放課後になっちゃう。
「あと、課外来るときは面倒かもしれないけど、制服で登校しろよ。」
あたしの手帳にはあの日撮った夕暮れの写真が挟まっている。
渚さんに言われたとおり、話しかけるための材料として忍ばせてあるものだ。
「それじゃ、よい休業を」
松下たつのりが教室から出ていくのを見送った後、みんな心ウキウキわくわくなのか、軽やかに教室から去っていく。
「ひかり?帰らないの?」
「渚さーん!!結局写真渡してないんだけど!」
「そんなのあんたが行かなかったのが悪いんじゃん」