89×127


「ひかり、いたから声かけてみた」



こっそりひっそり戻ってきた意味!!

渚のばか!なによその素敵な笑顔!
悪巧み全開か!




「あははー 中川くん、ひ、久しぶりだねー?」

「…お久しぶりです。」



あれ、なんでそんな悲しみ気な顔?
悲しみブルー?



「誰かと来てたの?」


黙ってしまったあたしの代わりに渚が話をつなぐ。

それで彼女とか言われたらあたしはもう泣くぞ。



「く、クラスのやつと一緒です。部活あるんで13時には学校行かなきゃなんですけど…」


「そうなんだ、部活大変ね?あ、昨日なんだけどさ…」


「なーぎささん!部活あるって言ってるんだから、行かせてあげましょう!もうあと20分もしないで13時ですから、ね?」


渚が昨日のことを聞き出そうとしたのはきっと、はっきりさせるため。

でも今のあたしはまだそのことを聞く勇気がないのですよ。



なので中川くんには大人しく部活に向かっていただきましょう?



「そ、そうですね。すみません、俺、もう行きます」


それだけ言って、中川くんは行ってしまった。




< 153 / 243 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop