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「ひかり、いたから声かけてみた」
こっそりひっそり戻ってきた意味!!
渚のばか!なによその素敵な笑顔!
悪巧み全開か!
「あははー 中川くん、ひ、久しぶりだねー?」
「…お久しぶりです。」
あれ、なんでそんな悲しみ気な顔?
悲しみブルー?
「誰かと来てたの?」
黙ってしまったあたしの代わりに渚が話をつなぐ。
それで彼女とか言われたらあたしはもう泣くぞ。
「く、クラスのやつと一緒です。部活あるんで13時には学校行かなきゃなんですけど…」
「そうなんだ、部活大変ね?あ、昨日なんだけどさ…」
「なーぎささん!部活あるって言ってるんだから、行かせてあげましょう!もうあと20分もしないで13時ですから、ね?」
渚が昨日のことを聞き出そうとしたのはきっと、はっきりさせるため。
でも今のあたしはまだそのことを聞く勇気がないのですよ。
なので中川くんには大人しく部活に向かっていただきましょう?
「そ、そうですね。すみません、俺、もう行きます」
それだけ言って、中川くんは行ってしまった。