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忘却
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「ひかりー明日の午前中に小論の指導あるじゃん?あれ出る?任意らしいんだけど」
「あーあたしはいいや。小論そんな苦手じゃないし。写真の整理しなきゃいけないしね」
「さっすが学年主席は言うことが違うね」
「渚にそんなん言われたくないわー同じようなもんでしょうが。どうせ出ないんでしょ?」
「うん。でない」
「……オレはお前らと会話してると悲しくなるわ」
夏休みも終盤。
結局今年の夏休みは受験勉強に注いでしまった。あと文化祭の準備とか。
ちなみにあたしのクラスの文化祭での出し物は、ちょっとした展示と休憩スペースだから、準備だけ頑張れば当日は超絶に楽だ。
そして展示内容はあたしの取った写真だから、準備もそんなに大変じゃない。
「ともやんのとこは何すんだっけ?文化祭」
「ありきたりにお化け屋敷」
「準備大変じゃない?」
「大変だけど、高校最後だしな。楽しくやってるよ」
「そうなんだー受験生なのに頑張るなー」
「お前らのクラスは手抜き感Maxだもんな」
「手抜きなもんか。あたしの写真はいつだって本気しか写してないよ」
「なんかかっこいいこと言ってる風だけど、内容自体は休憩室だろ?当日仕事あんの?」
「あるとも、気に入った写真は売ることになってんのよ。それにあたしは出張カメラマンとして校内を飛び回るからね」