89×127
「サッカー部の分集め終わったから持ってきた。」
「あーありがとう。うちのクラスはあと2人だけだからもう揃うね」
「こないだ買った分抜いて、残りで何買う?」
「花束だけじゃ余るかなぁ」
「結構でかい花束買えるよな」
「明日にでも見に行ってこようか。明日暇かい?」
「うん大丈夫。とりあえずこれ預けとくわ」
「はいはーい」
ともやんから受け取った封筒を鞄にしまい、始業式へ向かうために廊下にでた。
列に並ぶ渚の隣に並ぶと、なんともニヤニヤした顔を向けられてしまった。
なんだっていうんだ。
「なんか、津川くんといい感じだね最近」
「いい感じ?どんな感じ?」
「どんなって、すごく仲良さそう。まぁ前から仲良かったけど、さらに」
「そんなことないよ?たいして変わってなくない?」
「周りから見るとってこと。でもいいと思うよ?津川くんしっかりしてるし、バカだけどいい人じゃん」
「いい奴だけどバカだよ?」
「バカでもいいじゃん。その分あんたが頭いいんだし。」
「そういうもんかなぁ?」
「そんなもんよ。ちょっとは目に入れてあげなよ」
「…別に今までだって目に入れてなかったわけじゃないよ?」
「それは嘘だね。あんたまだずるずる引きずってんでしょ?」
やれやれみたいにこっちを見てくるが、それは仕方ないじゃないか。
まだ好きなんだから。