89×127


「ま、そういうことだから、明日のデートはそういう目で見てごらんよ」


「えーやだよそんなー」


「そんなこと言ってるから次の恋を見つけらんないの」



ペシンとでこぴんをくらい、あう!とのけぞると、後ろに立っていたらしい松下たつのりにぶつかってしまった。



「いてぇよ真鍋。遊んでないでちゃんと並べ」


「あたしは被害者ですよ。首謀者は渚さんです」


「お前明日デートなのか」


「スルーされた上に盗み聞きされているだと…!」


「しかも次の恋とか、お前振られたのか」


「どストレートすぎてつらい」


「先生、もう前のクラス動いてますよ。おいて行かれてますよ」


「いや先頭さん動き出してくださいよ。オレの許可いらないだろそこ」



バタバタと前のクラスを追いかけるように走り出すうちのクラス。

松下たつのりはその先頭へと向かって走って行ってしまった。



「あの男は繊細さに欠ける」


「そうですよねー思っても言わないでほしいわ」


「始業式サボる?」


「んーん、思ったより平気。もう傷も癒えてきているってことなんかねぁ」


「それならいいけど。あのカスにはあとで制裁を加えにいこう」


「渚さんは頼もしいなぁ。教育委員会もびっくりな暴言だよ」



でも実際振られたって言われても意外とダメージは少ない。

夏休みの忙しさで、少しは紛れてくれたのかね。



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