89×127
変化
その日の放課後、教室でみんな残って文化祭の準備に取り掛かり始める。
あたしの写真は好評で、今はみんなが教室のレイアウトを考えてくれている。
そしてあたしはというと、
「で、中川とうまくいってないのか?」
「なんでそんなこと松下たつのりに報告しなきゃいけないんですか」
なぜか松下たつのりに尋問されてるんですよね。
みんなには結婚式関連の話といってあるが、なぜわざわざそこまでして恋バナをしなければいけないのか。
非常に疑問である。
「なんでって、そりゃあ生徒の悩みを聞いてやるのが教師ってもんだからさ」
「完全に面白がってるだろ」
「それは否めない」
「このやろう!」
生徒の心配事をそんなニヤニヤしながら聞くんじゃねぇよ!
「で、どうなのよ」
「うまくいくとかそのレベルですらないですよ。もう全然会ってもいないし」
「なんで?告ったのか?」
「…告ってすらいないです。その前に終わりました」
「は?じゃあなんで、」
「向こうに彼女さんがいたんですよ」
「うわ、まじか」
「マジです。だからあきらめたんです。それだけです」
うわぁ話してたらだんだん悲しくなってきた。涙でそう。
「先生、こんなとこでなにやってるんすか?あ、…真鍋いじめ?」
「おー津川、お前のクラスも文化祭の準備か?」
「そうですけど…真鍋泣いてるんですか?」
「泣いてないやい!バカともやん!松下たつのり、教室もどりますよ!」
ともやんになんか泣き顔見せてたまるかよ!…って泣いてないけどね!