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食べながら歩くのも行儀が悪いということで、近くの公園のベンチに二人で並んで座る。

暑いな、暑いねなんて言いながらアイスをほおばる。


こんなに暑いと公園で遊ぶ子もいないみたいで、騒がしいのは蝉の鳴き声だけだ。



「昨日の、なんだったんだ?」


「…昨日のって?」


「先生となんか話してただろ」


「あぁ、あれね」



そういえば階段のところで松下たつのりと恋バナしているのをともやんに目撃されたんだった。



「お前、泣いてただろ?」


「泣いてねーよ」



確かに松下たつのりに際どいラインまで踏み込まれて、危うく涙腺が活動を始めそうだったが、なんとか持ちこたえたつもりだ。


「でもあの後お前の教室に行ったら先生めちゃめちゃ亀井に攻撃されてたぞ?お前はいないし」


「なに、ともやんうちの教室来てたんだ?あたしたぶん他のクラスに写真撮りに行ってたわ」


「そっか。…なんかあったわけ?」


「なんにもないよ?」


「お前に何もないのに、亀井が先生を攻撃するとは思えないけど」


「渚さんは常習的に先生のこといじめてますよ」


「…そうじゃなくて、昨日のはなんか鬼気迫る感じだったからさ。余程のことがあったのかと思いましてね」


「うーん、別になにもないんだけどな」



ともやんはいつも周りのことよく見てるから変化に鋭く反応する。

そしてそれを気にしてしまう優しい奴だから大変そうだ。


こういう人間はいつも苦労する立場にいるよね。

別に自分に関係ないことなら放っておけばいいのに。



「ともやん。ありがとう」




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