89×127
思い出しながら話すすめると、やっぱり悲しくなるなぁ。
確かに言われてみればなんで避けられだしたのかが分からないなぁ。
告らせねぇぜってことだったのかな…
「そうなんだ…その一緒にいた女の子が彼女なのかな?」
「正確にはわかりませんけど、クラスの子って言ってたし、二日連続で二人で遊んでるとか、もう彼女確定じゃないですか…」
「じゃあまだ彼女って決まったわけじゃないんだ」
「いーや、あれはもう彼女ですよ!だって、かっこいいし優しいし笑顔が素敵だし爽やかだし運動神経もいいし素直だし丁寧な中川くんに、彼女がいないわけがなかったんですよ!あたしがアホみたいにいないと勝手に思い込んだばっかりにこんなことに…」
「……なんて言うか、ひかりちゃんがものすごく恭くんのことが好きだってことは伝わった。でもさ、一回恭くんに確かめてみたら?今彼女いる?って」
「それでいるって言われたら…」
「もういると思ってるんだから、たいして変わらないって。いなかったらラッキーってことで!」
そんなこと言われても…いると思っていても、実際に本人の口から聞くのは怖い。
だってそれで簡単に「います」とか言われたら、絶対に傷をえぐられるよ!
すでにある心の傷に塩を塗りたくるようなものだよ!
「じゃあ、一週間後までにそれを聞いておくこと!宿題ね!」
「えぇ?!な、んでそんな…!」
「こういうのは勢いが大事だからね!一週間後、またここでお茶しよ?それまでの宿題!」
「え、嫌、無理ですってぇ…」
「聞くだけだから大丈夫だよ」
「ダメです、無理です!」
「じゃあ、できるところまででいいよ。自分で行けるところまで、がんばりな」