89×127
―――
「…せっかく来てくれたのに、悪かったな。」
練習試合の帰り道、ともやんが気まずそうにあたしに言った。
その理由は試合結果。1-2。
後半シュートを決めるも相手校の怒濤のシュートラッシュにおしくも負けてしまった。
「でも、みんなかっこよかったし。謝られる意味が分かんない。」
笑顔で言ってやれば、情けない不器用な笑顔が返ってきた。
「お前ら!次はカメラマンに情けない面みせねえように、明日からの練習気合い入れろよ!」
「うっす!」
ともやんはみんなを鼓舞するのがうまい、頼れるキャプテンだ。
ただのナルシストだと思ったら大間違いなんだからな!
部員のみんなも個性は強いが明るくて頑張り屋な良い奴ら。
「あー!青春だなぁーー!!」
その一言に、みんなの笑顔が花開く。
この笑顔が何よりも素敵だよ。