89×127


急に現れた第三者の声に固まるあたしと中川くん。



「なぜ渚がここに!」


「呼んでこいって言われたからね。仕方なく呼びに来てやったんよ」



教室のドアをガララと大きく開けて入ってきたのは渚さん。

なに、今のやり取り聞かれてたってことですか?




「二人とも、よかったね」


「へ…?」「亀井先輩…」



二人とも?ってどういうこと?


「では、ここで種明かし、と言いたいところだけど、もう一時間目始まっちゃうから、それは放課後に持ち越しましょうか」


「え、なんで!今でいいじゃん!てか種明かしって…」


「あんたのために授業出るなってことかな?このあたしが?」


「いいえ、滅相もございません。でもせめて昼休みに…」


「お昼はあたし委員会の会議に行かなきゃいけないの。だから無理。放課後」


「はい、承知しました」


「それより、今はっきりさせておくことがあんじゃないの?」


「はっきりさせておくこと?」


「あんた、お返事したの?」


「お返事?」


「さっきなんて言われたの?あんたちゃんと答えたの?」



……さっき中川くんはなんて言った?

あたしのことが好きだと言わなかったか?



「…中川くん!」


「は、はい!」


「あたしも好きなんです!中川くんのことが!」


「え?!」「え?」


「なに二人してびっくりし合ってんの?二人してアホなの?」


「本当ですか…?」


「こんなことで嘘つけないよあたし」


「お、俺も、好きです。すごく」


「ふふ あたしも、好き」




「どうしよう、空気げろ甘過ぎてすっごい腹立つ」


「うわぁ痛いよ渚!」




とてもいい笑顔でチョップをされました。痛いです。




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