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「なにが迷惑なのさ?」
「見ててじれったい。恭介が部活に集中しない。真鍋の彼氏として噂される」
「なるほど。ともやんの彼女なんて噂されたくないね!でも大丈夫。もう両想いってわかったから!ね!」
そう言って中川くんをみると、ものすごくびっくりした顔をして、ものすごく勢いよく視線をそらされた。
なんでだ!
肯定の返事以外の反応は求めてないよあたし!
「もうなにこのアホとシャイボーイ」
「こんなんだからここまでこじれたんだなきっと」
「それもそうねー。中川くんすぐうじうじしちゃうから」
「それもだし、あとこいつら二人してめっちゃ勘違い野郎だしな」
「それさっき言っといた。あと中川くんは天然たらしだから質悪いよね」
「真鍋も感情の起伏激しすぎな」
「真っ直ぐ前しか見てないからそうなんのさ。視野の狭いこと狭いこと」
「一個のことしか考えられないのな。アホだから」
「なんで勉強はできるのにこういうところは鈍感なのか全然わかんないわ」
「それはほら、オレ勉強できないけどこういうの敏感だし」
「そう言われてみればそうか」
「……中川くん、なんであたしたちこんなに貶されてんだろうね」
「わからないですけど、二人とも悪意がこもっていることはわかります」
「もう種明かしも済んだし、帰っていいかな」
「いいと思います。一緒に帰りたいんですけど、俺今日普通に部活なんで…」
「じゃあ待っていてあげようじゃないか」
「え、いいんですか?!」
「ん、昨日は一緒に帰れなかったからね。あ、でも怪我大丈夫なの?」
「そこまで大げさな怪我じゃなかったんで、平気です。えっと、じゃあ、待っててもらってもいいですか?」
「うん。大人しく待ってる。あ、写真撮りに行ってもいいかなぁ」
「いいですよ!久しぶりに来てください俺から先生に言っておきますから」
「ふふ じゃあ行く」