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「で?結局青春してきたわけね?」
「んふふー まぁね!」
「はいはい気持ち悪いからニマニマしないの」
「渚さん手厳しい!」
次の日、あたしの顔を見るなりそんなことを言った渚さんに笑顔で抱き付くと、とても嫌そうな顔でチョップされました。痛い。
「真鍋真鍋、文化祭の時さ、オレの妹がお前の写真見たらしくて、どうしてもほしいって言われたんだけどどうすればいい?一応写メあんだけど」
「津川くん妹とかいたんだ?末っ子っぽいのに」
「むしろオレ長男ですけど」
そんなことを言いながらiPhoneの画面を見せてくるともやん。
「オッケー、特別にプレゼントしてやろうじゃないか」
「さんきゅ」
「中川しょーねーん!津川くんとひかりがいちゃついてるぞーぉ!」
「いちゃついてないから!」
渚が柄にもなく叫ぶからこの場に中川くんがいるはずはないと思っても慌ててしまう。
「なんだお前、もう浮気してんのか?」
「してない!松下たつのりの目は節穴か!!おはようございます!」
「うぉ!あぶねぇ!おはようゴザイマス!」
ともやんの後ろから現れた松下たつのりにあいさつと共に目つぶしを仕掛けるもあいさつと共に避けられてしまった。
「避けるなよ!」
「避けるわアホ!津川、お前はそろそろ教室戻れよ、で、お前らは席につけアホども。」
「松下たつのり、今、渚にアホって言った…?」
「なるほど、ケンカを売られたってわけね」
「違いますごめんなさい席についてくださいお嬢さんたち」
「それはそれでなんかムカついた」
「うんムカついた」
『みんな!青春しようぞ!』
「「「ぶふっ!!!」」」
「なんで今それを再生したのよ渚のアホ!!」
そんなあたしたちの日常。
カシャッ
あたしは笑顔でこの笑顔の日常を小さな長方形の中に切り取る。