89×127
「で、みつかんなかったワケだ。」
「あい。」
「あんだけ張り切って出てったのに。」
「…あい。」
「どんまい。」
うわーん!なんでそんなに笑顔なんだ渚さん!
親友がこんなに苦しんでいるって言うのに!
「全く、本当に全部探したの?」
「探したよ!移動教室までの道のりも教室内も隈無く調べたよ!でもないんだー!!」
どうしようこれは本格的に捜索願をだそうか。張り紙とかしたら心優しい誰かが探してくれないかな?!
「じゃあ、やっぱり例の拾ってくれたサッカー少年が一番怪しいんじゃないの?気付かないうちに中身だけ落ちちゃったとかさ。」
「行ってきます!!」
もうこうなったら彼に賭けるしかない。
渚の言うとおりもしかしたら知らないうちにポケットの中に入り込んだとかあるかも。
朝同様の階段ダッシュ。 激しい運動、だめ絶対。
「中川恭介くんいらっしゃいましたら返事!!」