89×127


「この写真、あたしの宝物なんだ。」



お兄さんと出会って、毎日の大切さを知った。


生きていることのすばらしさを知った。


写真が私を価値付けてくれているような気がした。



「まさか、君のお兄さんだとはなー…。」



確かに言われてみれば、笑った顔が少し似ているかもしれない。


だから練習試合で初めて中川くんの笑顔を見たとき、とっさに相棒を構えてしまったのかも。断られたけど。


「中川くんは写真が嫌いなの?」


お兄さんはあんなに写真を愛していたのに。生き甲斐にしていたのに。



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