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「…そっか。サッカー少年は納得してくれた?」


「うん。なんか、最初からもらえると思ってないって言ってた。」


「あら、ひかりの性格よくわかってんじゃないの少年。」


「そーかもね。でも、あたしのっていうより、お兄さんの性格を分かってたよ、彼は。」




中川くんは言った。



お兄さんは、自分の撮った写真で相手が笑顔になることが一番うれしいと言っていたって。

だから、この写真をあたしが肌身離さず持っていてくれていることに、お兄さんは喜んでいるはずだって。


「兄のためにも、この写真はあなたが持っていてくださいって、言われちゃった。」


そう言った彼は、とても綺麗な笑顔を浮かべていた。




お兄さんに似た優しい笑顔に、少しだけ涙が出たことと、今も思い出し泣きしそうになっていることは、渚さんには内緒にしたいと思う。



「…何泣きそうになってんの?」



……渚さんには敵わないと思いました。





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