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「………なんだこの甘酸っぱい空気。」
一部始終を黙って見届けた松下たつのり。
「松下さんって誰ですか真鍋さん。」
「あなたですよ松下さん。」
他の誰でもないあなたですよ。
「…オレにはよくわからないが、オレは極悪非道じゃないとだけ言っておく。」
「今のあたしは見なかったことにしてください松下さん。」
「悪いな。オレ記憶力には自信があるんだ。」
「抹殺します。」
「抹消じゃなくて抹殺?!偶然居合わせただけなのに重すぎるだろ。」
「じゃあ記憶抹消の方法を教えてください。」
「オレ専門教科国語だから。それ完全に専門外だから。」
「教師なのにそんなことも教えられないのか。」
「お前は教師を何だと思ってるんだ。」