89×127
お兄さんと出会って2ヶ月ほど過ぎた頃。
お兄さんは屋上に来なくなった。
毎日の生き甲斐だって言ってたのに。
お兄さんが来なくなって2日経ち、あたしは看護師さんに聞いたんだ。
お兄さんの病室はどこですかって。
そういえば、お兄さんの病室には一度も行ったことがなかった。
少し気まずそうな看護師さんは、あたしの手を優しく引いて病室に連れて行ってくれた。
そこには眠っているお兄さんと、泣いているおじさんとおばさんと綺麗なお姉さんと、あたしと同じくらいの年の男の子と、病院の先生がいた。
お姉さんがまだ行かないでって泣いている。
お兄さん…死んじゃうの?
お兄さんが眠っているベットに近寄り、お兄さんの顔をのぞき込んだ。
綺麗な顔。でも、悲しい顔。