89×127
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「渚さん、やっぱり勢いだけじゃ勝てなかったよ…」
運命の6限目。
この時のために今日はたくさん寝て気合いを溜めておいたぜ!って渚に言ったら痛烈なデコピンをいただいた。
渚さんいわく、あたしが寝てるのは毎回のこと、だそうだ。
それは本人であるあたしが重々承知の事実である。
そして意気揚々と第一回戦の対戦相手の前に立ったわけだが、見事に敗戦し、無駄に騒いでまたもや渚の激烈なデコピンを食らうはめになった。
「だから言ったじゃん、確率の問題だって。てか、気合い入れ過ぎると勢いでグー出しちゃう理論は少しは当たってるのかもね。あんた、グー出したでしょ?」
「何それ?!そんなの聞いたことないよあたし!」
「なんか、何も考えないで勢いつけるとグー出しやすいみたいよ?ほら、最初はグーでそのままグーの形で出しちゃうみたいな。」
「…なんで負けてから言うのそれー!渚の意地悪。」
「今さら気付いたの?」
もう渚のばかー!
元から知ってたよそんなこと!