89×127
赤面
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「あ、そういやオレ、松下先生の披露宴いけることになったんだよね。」
「え、なんで?こないだダメだったって言ってなかったけ?」
「いや、なんか実は部長枠をつくってもらえてたらしくてさ。最初から行けることになってたっぽい。」
「そうなのか。いいなーずるいなー。」
争奪戦から3日後の昼休み。
廊下でサッカー部キャプテンのともやんと立ち話をしていると、急に松下たつのりの披露宴の話に話題転換した。
「サッカー部はあと誰が行くの?」
「1年は吉野、2年は恭介、3年がオレとうっちー。」
「恭介って中川くんだよね?」
「そうそう。お前がいつの間にか仲良くなってる中川くん。あいつ写真嫌いなのによく仲良くなれたな。」
「そ、それはまぁ、いろいろありましてね?」
写真拾ってもらったりですとか思い出話したりです。
そう、それだけです。
渚と話して気持ちに自覚もしていますが、特になんの進展もないんです。
「なんだそれーあーやーしーいー。」
「怪しくない!何もない!」
この間部活で話した以来、中川くんに遭遇することはなかったし、遭遇したところでたぶんあたしはテンパってろくに話せないと思われる。
だって今考えただけで顔熱くなってるもん!