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「でも、空いたらまたじゃんけん争奪だって言ってませんでしたっけ?」
「あーそれな、クラスのみんなが、お前に行ってほしいって言ってきたんだよ。」
「へ?なんで?いつそんな話したの?」
「……お前、今日の朝遅刻してきただろ。」
「そ、それはだって、今日の朝めちゃめちゃ空がきれいだったんですよ?!
それに、今朝早くに雨降ったのに学校に来る頃にはお日様も出てて、雨のしずくがお日様に反射して町全体がもうため息出るほどきれいで……そんなの撮らずにはいられないじゃないっすか?!」
松下たつのりにはあの美しさがわからないと言うのか?!
それは大変だ!特別に今日撮った写真を見せてやろうじゃないか!
「わ、わかったから!お前の写真に対する情熱はイヤと言うほどわかってっから落ち着け!」
「じゃあなんですか。」
「…急に落ち着くな…なんなんだその切り替えは…
はぁ …お前がいつ話したかって聞いたから答えてやったんだろ?お前が遅刻してホームルームいなかったから、そんときその話したんだよ。」
「おーうなるほどなるほど。で、なんであたしが行くなんて話に?」
「…オレはじゃんけん争奪するって言ったんだけど、あいつらが真鍋を行かせてやって下さいって言ってきたんだよ。」
「…なぜ?」
「あいつらみんな、お前が一番披露宴に行きたがってると思うからって言ってたぞ。それに、自分らはお前が写真撮ってきたの見るだけでも十分だからって。」
「…なにそれ。そんなの聞いてないんですけど。」
あたしのんきに写真撮ってる場合じゃないかったんじゃないのこれ。