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「…あんたねー、本当にみんなそんな理由で教えるなって言ったわけないじゃん。そんなへこまないの。」


「それはなんとなくわかってるけどさ…。」



朝の短いホームルームを終え、周りのみんながテストまでのわずかな時間で少しでも知識を頭に叩き込もうとする脇で、渚さんに容赦無く頭を叩かれているあたしです。


渚さん、折角覚えた年号やら単語が頭から抜け落ちそうだよ。




「あんたに心おきなく披露宴行って欲しいだけだよ。みんなが不器用なのは知ってんでしょ?」


「うん…みんな、良い奴だなぁ。」


「感謝しなよね。んで、みんなのためにもちゃんと感動的な写真撮ってきてあげな。」


「それはもうバッチリ撮ってきますよ。松下たつのりの号泣写真を激写して引き延ばして教室の後ろに飾ってあげよう。」


「それいいね。でも、お呼ばれしていくんだから、あんまり派手に動き回らないようにね。」


「それはダメだよ!カメラ係はあたしの使命なんだから!あ、服って制服でいいよね?ドレスとか持ってないけど!」


「あー、みんなでそろえて制服で行けばいいんじゃない?」


「だよね!楽しみだなー!」


「…お楽しみにところ悪いんだが、もうテスト始まるぞ?」




あらもうそんな時間ですか。






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