89×127
ちなみにあたしだって、勉強が好きなわけじゃない。
ただ、できないよりはできるほうがいいし、それならやるしかないと思ってやっているんだ。
好きとか嫌いとか、人生そんな単純な二択で生きていけたら苦労しねーだろうよ。
「津川君さ、ひかりに教えてもらえば?」
「えっ!?それマジd…」
「えー?ヤダようそんなのー。」
「いいじゃん。人に教えると自分も覚えるっていうし。」
「じゃあ渚がやってあげればいいじゃんかー。」
「あたしは一人で黙々とやりたい派だから。」
とか言って彼氏の良樹くんと二人でやるってことはお見通しだぜ!
良樹くんも勉強嫌いでいっつも渚に泣き付いているからな。
「ほら、見なよ。津川くんの期待に満ち満ちた顔。」
そう言われて振り向くと、そこにはキラキラ輝く瞳をウルウルさせ、ん?ウルウルとした瞳をキラキラさせ?
まぁどっちでもいいが、じっとこっちを見るともやんがいた。
その姿はまるでショウケースに入れられた小動物のよう。
「はぁ…そんな目で見ないでおくれよ。」