89×127
トキメキ
「じゃ、あたしもう帰るから。あとはお二人で頑張んなさい。」
そんな一言を残して渚さんはあっさりと帰っていきましたとさ。
面倒な提案だけしてあとは帰ろうだなんて、なんてお人が悪いんだろう。
今に始まったことじゃないか。
「二人でやんの?他の奴とか呼んじゃダメ?」
「なんだい、あたしと二人っきりじゃあ気まずいってか。」
「いや、そう言うわけじゃないんだけど…」
「じゃあ別に二人でいいよ。放課後に二人っきりでお勉強だなんて、少女漫画にありがちな展開だわねー。やだわー。」
ともやん相手にこんなべったべたにベタな展開いらないでしょうに。
中川くんならまだしも、ともやん相手じゃ何のトキメキも生まれないわ。