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「お前なー…オレ、これでも今を時めくサッカー部キャプテンよ?もうちょっとこう…」
「自分で今を時めくとか言っちゃってる時点であかんよともやん。それはただのナルシスト発言だって早く気づいて。」
ちなみにあたしナルシストな人ってちょっと距離を置きたい人種なんだよ。
だってさ、なんか見てると可哀想になってきちゃうんだもん。
3年2組の教室に移動して、がたがたと勉強の準備をしつつもお口は勝手に話し続ける。
口が勝手に喋っちゃうのであって、あたしの意思じゃないんだよ本当に。
「…さっきから人のことナルシストナルシストって、オレ別にナルシストじゃないからね?めちゃめちゃ謙虚キャラじゃんオレ?」
おいおいおい、誰かこのナルシストに現実見させてやってくれよ。
あぁ、そういう役に適任な渚さんはもうお帰りになられたのか…
「天然のナルシストとか、人工のナルシストより質悪いじゃないか…もう、手遅れだね…」
「え、ちょっと、ぼそぼそしゃべってる割に手遅れとかはっきり聞こえてきてるんですけど?何、手遅れって何の話?」
「ともやん、あたしたち、……ちょっと距離を置こうか。」