【続】君の声がききたい
「いいのよ、沙和さん!座っててね♪」


お母さんが、沙和の肩を叩いた。

沙和は、ペコッと頭を下げる。




「ほら、座って」

ーー『ありがとう』


リビングのテーブルに、沙和を座らせる。

俺は沙和の隣に座り、テーブルに置いてあるお茶をいれた。




「・・・・」


親父が無言のまま、沙和のことをじっと見ている…

沙和は困ったように笑い、親父を見つめた。




「親父…どうした(汗)」


沙和と自分にお茶を入れたあと、俺は親父に話しかける。





「いや…沙和さんと、どうやって会話しようと思ってな…」




親父…




「…沙和は口の動きを見れば、大抵のことばはわかるんだよ」
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