【続】君の声がききたい


お母さんはそう言って、クスクスと笑った。

私は迷ったが、ゆっくりと頷いた。




「マイペースで、時々なにを考えてんのかわからなくなるのよね。こっちが見失ったら、見つけるのは難しいわ(汗)」

【わかりますっ!】



お母さんの言ってることは、すごくよくわかった。





「奏は、若い頃のお父さんにそっくり。マイペースで、口数は多い方ではなかったわ。まあ、いい男だったけどね」


ちょっと照れくさそうに笑う、お母さん。



お母さん、かわいい…





「ああ見えてもね…お父さん・・・もう左眼が、ほとんど見えないのよ。奏から聞いてるかしら?」


えっ……!


お父さんの左眼が!?



私は静かに首を振った。
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