【続】君の声がききたい
「お父さんと出会った頃…もう左眼の視力は低下してたわ。見た目からしたらなんともないけど……本人はそれを、すごくコンプレックスに思っていたみたい」



わかる。

すごくわかるその気持ち…




「でもね…ほら・・お父さんて、ああじゃない?(笑)だから私は、お父さんの左眼のことなんて関係なく惹かれたの。この人しかいないって思った…」


お母さん…




「だから…沙和さんも気にしないで。あなたは、そのままでもすごく素敵。お父さんと同じようにね」


お母…さん・・・



私の気持ち、気づいてくれてたんだ…

自分の気持ちをわかってくれた。それだけで、心が軽くなる。




【ありがとうございます、お母さん】

「ふふ♪沙和さんみたいな人が、奏のお嫁さんで良かったわ。あの子のこと、よろしくね」

【はい!】



笑い合う私たち。




私…

こんな素敵な家族ができたんだ。
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