【続】君の声がききたい
なんせ、初めての海だもんね。

海に入る感じが、どんな感じかもよくわからない…


小さい頃、少しだけスイミングスクール通ってたから、プールはあるんだけどね。

でもやっぱり水が怖くて、泳ぎをマスターできなかったから、やめちゃったんだっけ…懐かしいな。




「大丈夫。俺に捕まってれば、溺れることはねえだろ」

「!」


奏はレンタルした大きな浮き輪を抱えながら、そう言った。




『俺に捕まってれば…』って……

それって、なんかずっとドキドキしちゃうんですけどっっ



そんなことを考えていたら、奏は先に海に向かって歩きだしている…

私は奏を小走りで追いかけ、奏の水着に手を添えると…

奏は私の手を握ってきた。




胸が、トクンと鳴る。


海の波の音は聞こえないけど、胸の高鳴りは確かに聞こえた…




ーー『うわぁ、すごいね』


波打ち際までやってきた私たち。



とうとう、海の間近まできました!




ちょん


とりあえず、片足だけ先に海に入れてみる。



つめた!

こんなに冷たいんだ!
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