【続】君の声がききたい
恵里香たちのことを気づかれないように、私は無理やり笑顔をつくった。




「これ食ったら、もう一回泳ぐ?」

ーー『!』


かき氷を食べながら言う奏。

私は慌てて奏に、手話で返した。




ーー『もうホテルに帰ろう…疲れちゃったから…』

「え…」


私の言葉に、奏はかき氷を食べる手を一瞬止めた。



恵里香がいるビーチなんかに、

これ以上いられない…




「…そっか。じゃあ、部屋で少し休む?」


奏の言葉に、私はコクリと頷く。

そして私は、こんもりと盛られたかき氷をキューピッチで食べ、逃げるようにホテルの部屋に帰った。



おかけで、体は冷え切ってしまった。





最悪。

せっかくの新婚旅行なのに…
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