【続】君の声がききたい
く、くすぐった…!



ーー『やめてよっ』


奏に、シャワーのお湯をかける。




「俺はもう洗ったって…」

ーー『じゃ、じゃあなにもしないでっ』

「はいはい」


プンプンと怒りながら、やや雑に体を洗う。




心が息苦しい…


奏にかまってもらって嬉しい気持ちと、

恵里香に会って沈んだ気持ちが、混ざってる……



苦しいよ。





ぐいっ



え!



突然、後ろから奏に手を引っ張られた。

少し強引な力で引っ張られたため、シャワーが手からはなれてしまう…




か、奏…?


驚いて言葉を失っていると…奏は真剣な顔をして、私を見下ろしたあと…

一瞬だけかかんで、転がったシャワーを取る。




「……なんかあったろ?」




そう言って、シャワーのお湯を私の足元にかける奏。


思わず、奏から目をそらしてしまった…
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