【続】君の声がききたい
大きなバスタブに、奏と2人向かい合わせになってお湯に浸かる。

涙が落ち着いた私だが、今のところまだ自分から口を開くことはなかった。


奏も、私の心の準備が出来るのを待ってるのか、湯船に浮かぶ花びらを見たり、掴んだりしている…




奏に言うって言っても……なんて言ったらいいの(汗)?

今更、恵里香のことを話しに出すのも、なんか気が引けて……


でも、『何でもない』なんてこと言ったら、絶対信じてくれないよな…(汗)





つん…






すると、奏が私の膝を、足で突いた。

奏から目をそらしていた私は、奏を真っ直ぐ見つめる。





「……少しは落ち着いた?」

ーー『……』


バスタブに肘をついて、私を見つめる奏。



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