【続】君の声がききたい
後ろから、沙和の頬にキスをする。


沙和の頬は徐々に熱を帯びてきて、少しだけ赤くなっていた。




「コーヒーが飲みたいな、奥さん」

ーー『……600円いただきます』

「高(汗)」

ーー『ふふ。私が入れるコーヒーは、それくらいの価値あるでしょ?』

「ですね」


ふふ。と笑う沙和。


その顔に、癒やされている自分がいる…





ーー『ではコーヒーひとつで、ご注文は以上ですか?』






スッと立ち上がり、沙和はクルッと俺の方に振り返った。





「うーん…もう一ついい?」

ーー『?』



俺は、沙和に人差し指を見せた。





「奥さんからのキスが欲しいな」

ーー『っ!』


俺の言葉に、沙和は顔を赤くして驚いている。
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