【続】君の声がききたい
奏からもらったタバコケースを、ぼんやりと見つめる。


お気に入りのケース…

私の好みわかってるよね、奏。




トン





すると、隣にいる奏に肩を叩かれた。




ーー『来月…またどっか行こう。旅行とか…遠くに』

ーー『!』


奏はタバコを吸いながら、手を動かして言った。




ーー『就活始まったら忙しくなるから、今のうちに遊んどこうぜ』

ーー『・・・・』



“就活“

その言葉に気分が沈む。



聴覚障害者の私に、就職先なんてあるんだろうか…

不安で仕方ない。

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