【続】君の声がききたい
ーー『お父さんの友達、どうだった?』


犬を抱っこしながら、沙和が俺に聞いた。



沙和は、今日は俺は親父の友達に会いに行ったことになっている。

(ま、結果的には、本当に親父の友達だったけど(笑))


俺なんかよりも、確実に職に付くのが難しい沙和に…

親父が紹介してくれた、会社の社長さんに会いに行くなんて、とても言えなかった。




ーー『優しかったよ。ほぼ親父の笑い話して終わった』


もう一匹の犬を抱きながら、俺は手話をした。

沙和はくくっと笑う。




沙和に嘘をついてしまった。


心は、罪悪感でいっぱい。




ーー『今夜、ハルと虹とご飯食べる約束したんだけど…』


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