杞憂きゆう〜ムダなことなどひとつもないね〜短編集
彼氏さんは
自分のクチビルに人差し指をつけて
まるで子供を黙らせるように
シーっ!と言ってきた。
?
という顔をしていると
いきなり抱き寄せられてキスをされた
あわてて
どんなに抵抗しても放してはくれない
やっと放してくれたと思ったら
「 オレさ
キミのがタイプだわ!
付き合わない? 」
おもいっきり首を横に振った
「 そっ!
じゃ、
今無理矢理キミからキスをされたって
舞奈に言うわ! 」
えっ?
それはマズイ!
私はつい彼氏さんの腕をつかんでいた。
「 だよね!
大丈夫だよ。
舞奈とも別れないし
キミとも付き合う…
一度さ
姉妹同時に付き合ってみたかったんだよね。
色々と比べたいしさぁ。 」
「 サイテー。 」
つぶやいた言葉に
彼氏さんは悪魔の微笑み
その
悪魔の微笑みが
一瞬その顔をカッコイイ!と思ってしまった。
その場から離れようとした私を
もう一度キツく抱きしめて
「 キミのクチビルのが美味しかったよ。 」
もう一度キスをしていった。
私には
付き合いだした大切な彼氏がいるのに
他の人とキスをしてしまった。
彼ともしたことがないのに…
このまま私は流されてしまうのかな?
みっくん…
会いたいよぉ…
彼とは何か上手くいかなくて別れてしまった。
私は今日も真っ直ぐ家に帰る。
何故なんだろう
心は拒否しているのに…
あの日に
いや
前日に
時計を戻せたら…
きっと
私は…。
end
2014/04/04