ヴァイオレンス・フィジカリズム
何時でも斜に構えて疑心暗鬼な性格。中身に問題がある自覚はある。
金は無い。
頭も悪い。
家族も友達も恋人も無かった。
そんな訳だから、僕はこの見た目がとても好きだった。
自らを愛でて何も悪いことは無いだろう。
僕は鏡に映る自分が好きで好きで仕方が無かったし、愛していた。
そんな僕が金を稼ぐ術といったらこの身体だけで。
僕は週2、3回の割合で、此処、『蝶々館』でバイトをしていた。
所謂風俗店だが、仕事内容は様々だ。
見知らぬ奴とセックスをしたりする仕事、酒を飲んだりする仕事。
当座生活費があれば良い僕は『ドール』という仕事をしていた。これだけでも其なりに稼げるのだから、態々春を売る必要も無い。
『ドール』はその名の通り“お人形”になる仕事だ。
客のことを『マスター』と呼びおとなしく従順にマスターとお話する。
マスターがドールに触れていいのは服越しに、軽くだけだ。口づけも愛撫もしてはならない。
実際、見た目が良くて在る程度自分を殺す事が出来れば、誰にでも出来る様な事だ。
その割に心に不調を来して辞める奴も多いが。
無機質で在るのがストレスだと、同僚はみな口を揃えて言う。
金は無い。
頭も悪い。
家族も友達も恋人も無かった。
そんな訳だから、僕はこの見た目がとても好きだった。
自らを愛でて何も悪いことは無いだろう。
僕は鏡に映る自分が好きで好きで仕方が無かったし、愛していた。
そんな僕が金を稼ぐ術といったらこの身体だけで。
僕は週2、3回の割合で、此処、『蝶々館』でバイトをしていた。
所謂風俗店だが、仕事内容は様々だ。
見知らぬ奴とセックスをしたりする仕事、酒を飲んだりする仕事。
当座生活費があれば良い僕は『ドール』という仕事をしていた。これだけでも其なりに稼げるのだから、態々春を売る必要も無い。
『ドール』はその名の通り“お人形”になる仕事だ。
客のことを『マスター』と呼びおとなしく従順にマスターとお話する。
マスターがドールに触れていいのは服越しに、軽くだけだ。口づけも愛撫もしてはならない。
実際、見た目が良くて在る程度自分を殺す事が出来れば、誰にでも出来る様な事だ。
その割に心に不調を来して辞める奴も多いが。
無機質で在るのがストレスだと、同僚はみな口を揃えて言う。