「すき」だらけ


「隙だらけだよ。岩瀬サン」



引き寄せられたから辻宮が近すぎるわけでしかもまたあの甘い声で囁くもんだからあたしは固まった。



ってかその甘い声で囁かないでよーっ。なんなのよ。


心臓が飛び出るかと思った。


「隼人お待たせ。電話終わったから入っていいよって未彩何固まってんの?」



「はっ。な、なんでもない」



いきなり扉が開いて依智が顔をだす。電話待ちだったんだ。ってかあいつ腹立つーっ。


あたしは依智の顔も辻宮の顔も見ないでまっしぐらに自分の部屋に走った。



後ろから辻宮の笑い声が聞こえようが知ったこっちゃないんだから。
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