「すき」だらけ

放課後、颯太と風香と一緒に学校を出た。相変わらず綿菓子だな。

でもあたしも今日は少しだけ綿菓子の気分。2人に別れを告げて辻宮に電話する。

「あっ辻宮?」

「今どこ?」

「今ね・・・」

そう言いかけた途端あたしの左手から携帯を取り上げる手。

誰?通話終了のボタンを押す。高瀬くん・・・。あたしの元カレ。


高瀬くんはあたしの携帯を握りしめ、そのままあたしの手首を掴むとすたと歩き出した。


「ちょ、高瀬くん。携帯返して。どこに行くの?あたし、帰る・・・」

あたしの問いかけは無視された。何?あたしどこに連れていかれるの?怖いよ。辻宮助けて。
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