「すき」だらけ
高瀬くんはあたしのことすごく大事に思ってくれてたんだ。

それなのにあたし彼をただ弄んだ。利用した。振られたのはあたしだけど傷ついたのは彼。

あの『期待はずれ』は彼があたしにじゃなくてあたしが彼にしてた期待だったのかもしれない。

手の中で震える携帯。
表示される名前。通話ボタンを押した。

「お前今どこにいんだよ?」

「・・・公園の裏の路地」

「すぐ行くから待ってろ」

胸が痛い。あたしは自分勝手な理由で彼氏を作って期待して、でもそれが期待はずれでまた違う彼氏を作る。

最低の人間だ。

自分の利益しか考えずにバカみたい。
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