「すき」だらけ
「・・・そっちのがいーよ。似合ってる」

ドキン。
あたしもズルいけど辻宮もズルい。
少しだけ赤くなった頬と照れた顔。

そんなの見ちゃったらまた止められなくなっちゃうよ。



「・・・もう自分の家に戻るの?」


昨日あれだけ自分の家に呼んだことを後悔したのに辻宮がここからいなくなることは嫌だ。

やっぱりあたしは最低でズルい。
そして自分勝手。

「・・・とりあえずまだ世話になるつもり」

「そうなんだ」

びっくりするくらい声が弾んだ。


やっぱり辻宮にここにいてほしい。
< 186 / 309 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop