「すき」だらけ
「・・・鳥に墓作ってお経唱えてやったり、寺のこと嫌いとか言いながら師匠の言いつけ守ったりしてんの見てなんて純粋なんだろうって思った。男慣れしてねーしいちいち反応が可愛いしさ。人のために自分が犠牲になるのを嫌がらないし、相手のために何かしてやろうと必死になる。

そんなやつ嫌いになるのもったいなくねー?でそんなやつがなんかすげー1人で抱えてたらなんとかしたくなるだろ?そいつが自分自身のこと嫌いなら好きにさせたくならねー?」




「・・・あたしそんないい人じゃないよ」




「それを決めんのはお前じゃねーよ。見てるのは俺。俺がそう思ってんだから俺が見てるお前を否定する権利はない。だからお前は・・・俺を好きなことだけ考えてたらいい。俺のことだけ考えて生きてろ。そしたら自分のこと嫌いなんて考える余裕もない。ずーっと頭の中俺のことだけでいい」




「なにそれ。どれだけ俺様なの」




「いいんだよ。それで。それでお前が自分を嫌いじゃなくなるんだからそれでいい。大丈夫。自信は俺が与えてやるんだから」
< 292 / 309 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop