「すき」だらけ
「俺、親が離婚しててさ。どうしても男女の関係には終わりがくると思ってたんだ。だから怖かった。矛盾してんだよな。かなり」




「ねえ。辻宮はなんで家族なら終わりがないと思ったの?嫌いになることもあるのに」




「家族なら嫌いになってもやっぱり切れないんだよ。俺は父親のことすげー嫌いで憎んでたけど母親が男作って出てって父親は荒れて事故で死んだ。すげー嫌いで恨んでたのに死んだらやっぱり悲しくて。それで送ってやりてーと思って師匠にお経教えてもらってた。そんときにやっぱり家族は切れないなって改めて思ったんだよな」




辻宮のことあたし何も知らなかったんだ。

それなのに告白なんかして彼女になりたいってそれこそ身勝手過ぎる。




うわーっ。恥ずかしくなってきた。
あたし、自分のことばかりすぎ。




辻宮は両親の離婚もお父さんが亡くなったことも全部1人で抱えててそれなのにまだあたしを変えてくれようとまでしてくれてたんだ。




すごい。この人には敵わない。



あたしにこの人は似合わない。
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