「すき」だらけ
「それにさお前が何でそんなに寺を気にしてるのかしらねーけど俺はここに生まれたかった」
「えっ?」
あたしはわざと聞こえなかったことにして辻宮の隣にもう一度座りなおす。
「お前の家族に生まれたかったって」
「なんで?お寺ってほんとに暗いし、
お経だっていいイメージない。
死んだ人の供養とかってほんとに呪われてるって言われても仕方ないんだよ」
「お経って魔法の言葉だって思わね?」
「魔法の言葉?」
「亡くなった人を
天国に送ってあげるための魔法の言葉。
お経がなければその魂は成仏できないんだぜ。それにお寺っていうのは魂を天国に送ってあげる通過点な感じもするしな。俺はすごいって思う」
「辻宮・・・」