True my self -本当の自分-
「じゃあ、そこへ座ってくれる?」
恐らく表モードの福栄に気分が悪くなった。
いつも表モードの自分が言える訳も無いのだけれど。
…でも、この二人きりの時なら話は別だろう。
まぁ詳しくは、ニ人きりではないが。
私は指された椅子へは座らずに言った。
「今、偽る必要ないと思いますけど。」
無意識に低くなった自分の声に我ながら驚く。
「流石だな。ところで、何で呼び出したかわかってる?」
「席を隣にした理由、でしょ」
「正解!」
何だろう、この無駄過ぎる時間は。
「で?それだけですか?」
なら、
「帰ります。」
「いや、それだけじゃないから待って」
……
「何」
「何で隣にしたかわかる?」
「私の闇のでしょう」
「凄いね。全部お見通し、ってか(笑)」
「そうなんでしょうね、もう帰っていいですかね?」
この男、面倒臭い。
「いや、待て」
はぁ…。
「今度は何ですか」
対応が更に面倒臭くなってきた。
「俺がこの学校へ来たのは、「私を助ける為でしょう」
「凄いね、図星だ」
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