True my self -本当の自分-
---これから絶対、何かが起こる。
そう、直感的に思った。
「……い……」
……?
「はい?」
「付き合って…下さいッ…!」
…はぁ…。
この人が、全く掴めない…。
そう思いながら当然のように断ろうとしたのだが…、口を開きかけたとき。
「断れないですよ?」
…そう言って彼女は、ポケットから出したカッターを突き出してきた。
一瞬、ゾクッと烏肌が立った。
---こんな光景、見たことある。
…私は…、この光景に、弱いらしい。
「…どうしてですか…ッ?」
冷静を装って、そう問い掛けた。
「…麻愛李が、だぁぁい好きだから?」
急に呼び捨てた植木さんに再び鳥肌が立った。
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