空白の数時間
1−1
見知らぬ白い天井が私を見下ろしている。
天井だけでここが何処かなんて分かるハズもなかった。
ただ、薬品なのか??
独特の臭いが鼻をくすぐるようにして香ったのが分かった。
あと、全身が痛かった。
自分のベッドでもなかった。
どうしてだろうか??
ここに私が居る意味を見いだせない。
「……ッ」
誰かを呼ぼうとしても。
掠れた声が乾いた空気に消えてしまった。
しばらくして、何か医者っぽい人が居て、漸くここが病院な事に気がついた。