空想アリス
物語はこうして始まる
チッチッチッ・・・・
時計の音が部屋の中にこだまする。
それとどうじに聞こえるのはペンが紙を走る音。
俺の名前は、宇佐美 煉(うさみ れん)
売れない小説家だ。
「うわぁ~~~~!!!!もういやだ~~~!!!!」
俺はペンを壁に投げつけ髪をぐしゃぐしゃとかきあげた。
今は締め切り前3日目、俺は白紙の紙をバァっと宙に投げすべてを投げ出し横になった。
どうせあと3日でこの紙が埋まるわけがないんだから・・・。
俺は徹夜明けで眠くなってしまい、眠ることにした。
混ざり合う血の匂い、逃げ惑う人々。
俺は、ここを知っている。
ずっと描いていたんだこんな物語を
「うさぎ」
愛おしい声。
俺はこの声も知っている。
大好きだったんだ、この声が・・・。
アリス・・・。
「ありす!!」
ハッと目を開けた。
どれくらい寝ていたのだろう。
「んっ・・」
____じゃり
ん?じゃり?
俺は目をこすった。
目の前に広がるのは綺麗な青空だった。
あれ?俺は部屋にいたような・・。