昔みたいに 抱きしめて?
〈ピーンポーン〉


チャイムを鳴らす。

すぐに私の名前を呼びながら翔が出てくる。




「これ、多分一人で食べきれるだろうから…。」


自分でも分かるくらい、真っ赤な顔をして、あたふたとしてしまった。

ほんとに恥ずかしい…。




「中身なんだろ、楽しみ。

そういえば、母さんがそろそろそっちに行くって言ってたけど真依はどうする?」


あたふたしている私を優しい目で見ながら翔は聞いてきた。


「家に戻る。

おばさんが来るなら、ちょっとは綺麗にしとかなくちゃいけないから。

さっきまでキッチンとか使ってたし。」

私は翔にそう言って家に戻った。




リビングに残っていたラッピングの残骸を片付けてから部屋に戻ろうとした頃に、お母さんがおばさんを迎える声がした。

挨拶だけ済ますと、私は部屋へと入っていった。
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