慟哭
…耳の奥で、読経と木魚の音が蘇る
鈴の音(ね)も
飲み過ぎだね 私
一番泣いたのは、あなたのお骨を拾った時
赤の他人なのに、
お兄さんと一緒にやらせてもらった
「あんなに逞しい人だったのに
こんなになってしまった」
あの肉体はもうこの世には、存在しない
私は崩れ落ちて泣いた
お兄さんが背中を撫でてくれた
馬鹿だね 私
お兄さんのが、よっぽど悲しいんだよ
二つ違いで
すごく仲の良い兄弟だったんだから
お兄さんは喪主だった
ずっと涙を堪えていた
弔問客に挨拶してた
その間、私はずっと座って泣いた
半年ぐらいは毎日泣いてた
半年過ぎたら、少しずつ、間隔が開いてきた
今はもう…
泣きたくても
出そうで出ない
涙なんか枯れたわ