カゼヒキサン。
…ドア付近の海斗は少しおどろいたようにこっちを見た。

そんで、少しずつ少しずつ

こっちに来る。

「お、おはよ。海斗。」

それだけいった。

すると向こうは

「風邪大丈夫か?」

とだけ言うから

「うん。」

とだけ返す。

「海斗ー、お前の席こっちー!」

そう言って、クラスの男子が海斗を呼び、あたし達の会話は終わった。


「瑞希と海斗ってなんかあったワケ?」

さっぴが突然聞いてくる。

「な、なんで!?」

「いや、妙な雰囲気センサーが反応した。」

そういってさっぴは、右手をきつねのカタチにする。

「なにそれ(笑)」

あたしも右手をきつねにして返す。

「まー、海斗と瑞希が離れたらあたしとの時間が増えるけどねっ☆」

満面の笑みのらんちゃん。

怖し。

「なんもないよ。」

そう言って、へらーっと笑ってとりあえずらんちゃんにギュッとして、さっぴにむけてきつねを向ける。

「あたしはとりあえずらんちゃんがいてくれればいいもーん!…ついでにさっぴもね。」

「やーん瑞希、かーわーいーいー!」

「んだよ俺はついでかよ!」

らんちゃんに抱きしめられ、さっぴにデコピンされ


いやいや苦しいし、痛いし。

< 112 / 138 >

この作品をシェア

pagetop